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2018年10月20日 (土)

017 びっくり箱殺人事件

 表題作には金田一耕助は登場しない。カバー解説には「名推理で犯人を追いつめる等々力警部の活躍は?」とあり、この項でも一応「等々力警部」カテゴリーに入れておいた。しかし実際には、金田一ものに出てくるときのような個人としての「等々力警部」ではなく、「捜査陣全体の人格化された人物」としての「等々力警部」が登場して事件を捜査すると、作者自身が作中でことわっている。これは、珍しい。カバー絵は黒枠・白地のデザインで、一見初期シリーズと同じような装幀ながら、装画の方は極めて具体的に、しかも緻密に描かれている。

 ちなみに、この「びっくり箱殺人事件」は、昭和24年12月30日に「歳忘れ文士劇」として探偵作家クラブメンバーが出演する放送劇として上演されたことが、中島河太郎氏の文庫解説に記されている。深山幽谷を会長の江戸川乱歩が演じ、以下、蘆原小群を木々高太郎、顎十郎を城昌幸、半紙晩鐘を山田風太郎、田代信吉を島田一男、野崎六助を高木彬光が担当するという具合に、15名の錚々たるメンバーが登場する前代未聞の出し物だったという。その録音が、その名も『北村薫のミステリびっくり箱』(角川書店)という本の付録「希少音源CD」に収録されている。これは僕が言うまでもなく貴重な記録だろう。

 一方、併録の「蜃気楼島の情熱」の方は、れっきとした金田一ものである。平成8年、角川文庫の横溝作品が「金田一耕助ファイル」シリーズとして改版された折に、新しく編まれた中短編集『人面瘡』に収められた。>>「020-2(番外編) 人面瘡」


※確認済みの版
初版(昭和50年1月10日発行)
5版(昭和50年7月30日発行)
18版(昭和53年11月30日発行)
19版(昭和54年7月10日発行)
21版(昭和56年8月30日発行)<<裏面はISBN番号や定価などの文字のみ

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