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2018年11月 8日 (木)

038-1 仮面舞踏会

 『仮面舞踏会』は、横溝正史氏が完成まで12年をかけた渾身の長編である。元々は昭和37年7月号から「宝石」で連載が開始されたが、翌年2月号で中断。この時点で約300枚。その後、「横溝ブーム」が巻き起こった昭和49年に、数百枚を書き足して完成するという珍しい経緯を持った作品でもある。

「もちろん、このブームとやらは私にとってマイナスではない。私に執筆の勇気を与えてくれただけでも大きなプラスである。げんに去年私は十年以上もおっぽり出しておいた未完の小説に、新しく想をくわえて八百枚の長編を完成した。」(「オール読物」五十年十一月号)<<角川文庫『仮面舞踏会』解説より引用

 当時、作者はすでに72歳。にもかかわらず金田一耕助ものの新作が読めるということで、大いに話題になった。作者もその出来には満足していたようで、『真説 金田一耕助』(角川文庫)で発表された「私のベスト10」でも、「獄門島」や「本陣殺人事件」などのおなじみの代表作に次ぐ第7位に挙げられている。

 初版の表紙は、まるで曲がった鏡に映ったように変形された女性の顔を大きく描いたもので、インパクトの大きさでは杉本作品中、ベスト3に入るかもしれない。

 ちなみに、「金田一耕助ファイル」シリーズとして改版となった折に、使われたのはこちらの旧バージョンであった。また、平成24年に「横溝正史生誕百十周年記念」で復刻されたのも本版であった。

※確認済みの版
初版(昭和51年9月10日発行)
再版(昭和51年9月30日発行)
11版(昭和53年1月30日発行)
13版(昭和53年6月20日発行)

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