Editio Critica Maior 新刊(Acts・その1)
情報更新が遅くて申し訳ないのだが、本日、旅行の途中で銀座の教文館に立ち寄ったら、各国語聖書の棚に大型批評版(Editio Critica Maior)の最新刊「Novum Testamentum Graecum. Editio Critica Maior / Band III: Die Apostelgeschichte」の4冊セットが置いてあった。大型批評版=ECMについては、こちらで詳しく触れているが、この時点ではまだ「公同書簡」しか刊行されていなかった。こちらで紹介したネストレ28版でも、ECMがすでに用意されている「公同書簡」の部分(厳密には、その改訂版)のみ、新しく確立された本文が使われていただけである。今回、僕が見たのは「使徒行伝」の巻。当然ながらそこで採用されているテキストの中身が気になるわけだが、4分冊まとめてビニール・コーティングされていて中身を見ることはできなかった(洋書部の人に聞いてみたが、本文の内容まではわからないとのことだった)。そこで、帰宅後、ネットで調べてみたところ、「Deutsche Bibelgesellschaft」のショップサイトに以下の紹介文があった。
For this volume the initial text has been re-examined which led to 52 changes compared to the text printed in Nestle-Aland Novum Testamentum Graece 27th/28th edition and the UBS Greek New Testament 4th/5th edition.
これを見る限り、本文が再検討された結果、52か所でネストレ27/28版等とは変更があるという。これは驚きである。もともと「使徒行伝」にはいわゆる西方型本文という特殊性があり、他の文書とは幾分、本文確定に課題が多い。そうであるならば、いや、そうであればこそ、僕としてはこの「使徒行伝」の本文改訂を待ってから、ネストレ28版を出して欲しかったという気もしないではない。ともあれ、注文を入れておいたので、現物が届き次第、また詳細を報告したい。
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