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2018年3月 7日 (水)

リステンパルト&マカノヴィツキーのモーツァルト

 先月末、『ハイドン音盤倉庫』の Daisy さんが、「今日は秘蔵お宝盤。」との触れ込みのもと、「リステンパルト/ザール室内管の朝、昼、晩(ハイドン)」という記事をアップされた。こちらでも紹介した「Le Club Français du Disque」のLPだが、今回はそれに対抗し(笑)、同じ「クラヴ・フランセ」盤から、リステンパルトのモーツァルト盤を紹介したい。曲は、ヴァイオリン協奏曲第3番K.216、第4番K.218 の2曲。ここでヴァイオリンを弾いているのは、ポール・マカノヴィツキー(Paul Makanowitzky, 1920 - 1998年)というロシア系のヴァイオリニストである。スウェーデンのストックホルム出身とのこと。後年にはジュリアード音楽院で教鞭を執っていたようで、例えば原田幸一郎氏@東京カルテットのプロフィールなどにも、マカノヴィツキーに師事したことが出てくる。というような経歴は別にしても、これはなんと美しい、しかも均整のとれたソロだろう。美音のモーツァルトと言えばグリューミオが有名だが、それに勝るとも劣らないどころか、テクニックはマカノヴィツキーの方が上だろう。1960年前後の録音だと思うが、その時代の奏者にしては音程も実にしっかりしている。録音もすばらしく、「これぞモーツァルト」というような神々しいまでの残響を伴っている。また伴奏のザール室内管弦楽団(Saar Chamber Orchestra)との調和が抜群であり、ソロと伴奏のヴァイオリンの音色がこれほど合っている例を、僕は正直知らない。

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 実は、僕の持っているLPはモノラル仕様で、それはそれで十分美しいのだが、この盤にはステレオ仕様もあって、「異常に珍しい」(Silent Tone Record さんのサイト)のだそうである。というわけだから、それは当然ながら「異常に高い」(笑)。そして、その録音状態はモノラル以上の出来なのである。無論、僕自身もステレオ盤は持っていない。だが、上記 Silent Tone Record さんから、ステレオ盤の板起こしCDが出ていて、実はこれで聴いているというわけである。視聴ファイルが Youtube にアップされていて、最初の3分間を聴くことができるので、今回紹介しておきたい(>こちら)。

 「Le Club Français du Disque」盤などのフランスのマイナー・レーベル物には、まだまだ名盤・名録音が眠っていると思われる。いずれまた機会を見て紹介していきたい。

※このマカノヴィツキーのモーツァルト協奏曲盤には、他のショップからも複数の板起こしCDが出ている(エテルナトレーディング社さん、Forgotten Record)。また例によって、米ノンサッチから同じ録音のステレオ盤LP(H-71056)も出ている。ちなみにこちらは、比較的安価に手に入れることができる。

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