« ザルツブルク音楽祭2018『魔笛』 | トップページ | 2018年まとめ »

2019年1月 2日 (水)

ドイツ・グラモフォン創立120周年 Special Gala Concert

 元旦の朝日新聞を見ていたら、広告欄に表記のCDの発売告知広告が載っていた。「本日世界同時発売!」という大きな字が紙面に踊り、「2018年12月5日に開催され話題となったコンサートを世界的な反響を受け緊急リリース!」ともある。実演から1か月立っていないリリースにも驚くが、ライナー・ノーツは村上春樹氏という豪華さ。緊急リリースとは言いながら村上氏を会場に呼んでおくなど、周到に準備はされていたのだろう。「小澤征爾/アンネ=ゾフィー・ムター/ディエゴ・マテウス/サイトウ・キネン・オーケストラ」というクレジットになっているが、例によって小澤氏が全曲を振ってはいないだろうと思いながら演奏曲目を見ると、サン・サーンスの「序奏とロンド・カプリチオーソ イ短調 作品28」だけが、小澤・ムター両者の共演曲という。二人の記念演奏(共演)では、2008年1月の「カラヤン・メモリアルコンサート」(ウィーン、ムジークフェラインザール大ホール)が素晴らしかった記憶がある。その後、2016年10月に今回と同じ会場で行われた「サントリーホール30周年記念ガラ・コンサート」でも、武満徹の「ノスタルジア―アンドレイ・タルコフスキーの追憶に―」という曲で共演していて、確かこれはNHKでも放映された。今回も期待がつのる。早速、昼過ぎに Amazon に注文を入れておいたら、何と!本日お昼には地方暮らしである僕の自宅に届いていた。これにまたびっくり。店頭での注文から手に入れるまで2週間はかかったLP世代の僕などには、空おそろしい時代が来たものと思わざるを得ない。

 両者の共演は、予想どおり素晴らしいもの。ムターの輝かしい高音から骨太な低音まで磨き抜かれた美音は、いつもどおりとは言え、一度聴いただけでこの人とわかるほどの域に達している。特に弱音部分での弓の自在な使い方は、他の奏者の追随を許さないのではないか。視聴後、ストラディヴァリウスを使っている邦人女性演奏家が弾く同曲CDを聴いてみたが、コンクールでは優勝しそうだが、聴いた後の印象は段違い。半分くらいの中身そして長さの曲にしか聴こえてこない。小澤氏、そしてサイトウ・キネン・オーケストラ伴奏も、ムターの自由奔放かつ熱の入った演奏に、内容のある「音楽」で応えている。年頭から2019年を代表する演奏が現れたと言える。もし一つだけマイナス点を書くとしたら、最後の曲くらい演奏後の拍手を入れてもよかったのでは、グラモフォンさん。ライヴ・レコーディングと記してあるのだし。

 村上氏に引きずられて、他の曲・奏者には触れなかったが、全体の収録曲・演奏者は以下のとおり。
①チャイコフスキー:歌劇《エフゲニー・オネーギン》 作品24 ポロネーズ
②チャイコフスキー:交響曲 第5番 ホ短調 作品64
【指揮:ディエゴ・マテウス / サイトウ・キネン・オーケストラ】
③ J.S バッハ:ヴァイオリン協奏曲 第2番 ホ長調 BWV1042
④ ベートーヴェン:ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス 第1番 ト長調 作品40
【指揮:ディエゴ・マテウス / サイトウ・キネン・オーケストラ    ヴァイオリン独奏:アンネ=ゾフィー・ムター】
⑤サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ イ短調 作品28
【指揮:小澤征爾 / サイトウ・キネン・オーケストラ      ヴァイオリン独奏:アンネ=ゾフィー・ムター】

|

« ザルツブルク音楽祭2018『魔笛』 | トップページ | 2018年まとめ »

今日買ったCD」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ドイツ・グラモフォン創立120周年 Special Gala Concert:

« ザルツブルク音楽祭2018『魔笛』 | トップページ | 2018年まとめ »