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2019年4月28日 (日)

1967年のマーラー・ツィクルス(補遺・サヴァリッシュ3)

 昨日、NHK・FMの「N響 ザ・レジェンド」のリクエスト特集で、ウォルフガング・サヴァリッシュがNHK交響楽団を指揮したマーラーの交響曲第1番『巨人』が放送された。リクエストを投稿されたナガオカさんとおっしゃる方は、「N響とはマーラーの交響曲第1・4番を演奏しておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。」と書いておられるそうである。ただし、司会の壇ふみさんは、「マーラーについては、交響曲第1番、2番、4番を演奏していますが、音源が残っているのは、そのおっしゃるように1番と4番だったということでございます。」と話されていた。音源こそ残っていないということだが、交響曲第2番『復活』をサヴァリッシュは演奏していたのだろうか?

 以前、この記事の(その1)の記事に、「某巨大掲示板によれば、1970年頃に「第2番・復活」をN響と演奏したこともあるらしいが、詳細は未確認。」という情報を僕は書いていた。その後、同記事のコメント欄に、「よしお」さんという方からN響の「演奏会記録」の存在をご紹介いただいていた。そこで「よしお」さんは、「サヴァリッシュ は復活を指揮していないようです。その代わり、巨人と4番はNHK交響楽団と演奏しているみたいです。」とコメントされていた。僕も当時そのアーカイブスを検索したときには、『巨人』と第4番の記録は確かに確認したはずだが、第2番の『復活』は見つけられなかったように記憶している。なので(その1)の記事にもともとあった「復活」に関する記載を見せ消ししておいたのだった。もしかすると「N響とはマーラーの交響曲第1・4番を演奏しております」と書かれたナガオカ氏も、私たちと同様の認識からの投稿だったのかもしれないが、今回あらためて「演奏会記録」(重要な注)を再検索してみると、1972年の5月11、12日の2日間、東京文化会館で『復活』を振っていることが記されていた。解説の池辺晋一郎氏も、「2番はちょっとキャラクターが違う気がしますけど、1と4はなんとなくサヴァリッシュが演奏したことがわかる気がしますね。」とのことで、これは(その1)のコメント欄に僕が書いた感想とまったく一致している。しかし、サヴァリッシュが『復活』を取り上げたことは、どうも事実のようである。共演者は「木村宏子(sop.) / 長野羊奈子(alt.) / 東京藝術大学(chor.)」とのこと。ここであらためて、追加訂正しておきたい。

 ちなみに、『巨人』は、1975年の5月14〜17日に4日間連続で演奏されている。会場はいずれもNHKホール。昨日放送されたのは、初日である14日の録音とのことである。その演奏は、極めて明快なもの。管にはミスも見うけられたが、弦のフレージング、ハーモニーはいかにもサヴァリッシュらしく清潔で、冒頭から終楽章に向け見通しの良い設計も出色であった。

 もう一曲、交響曲第4番については、すでに(その1)で紹介したように、1989年4月28日にサントリーホールにおける『N響マーラー・スペシャル』で取り上げられていて、これは「演奏会記録」にも依然として記載されている。余談ながら、放送の中で壇ふみさんは、ブルックナーの交響曲については、N響と9曲全部を演奏していると話されていた。全曲の音源はないようだが、これらもぜひ聴いてみたいものだ。

(重要な注)その後、2021年3月に、horie さんからコメントをいただいた。「サヴァリッシュの復活」をテレビ中継で見たという貴重なご証言である。それを機に、N響の「演奏会記録」について再々度調べ直した結果、上記記録参照の齟齬についても大方理由がわかってきた。>>ぜひ「1967年のマーラー・ツィクルス(補遺・サヴァリッシュ4)」を合わせてお読みください。

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コメント

はじめまして。サヴァリッシュ指揮の「復活」はテレビでも中継され、地方住まいの私も見ることができました。あの端正な指揮ぶりは、50年近く経た今も鮮明に覚えています。「復活」の音源といえばワルターのLPくらいしか店頭にはない時代、非常に貴重な音楽体験でした。

投稿: horie | 2021年3月 4日 (木) 18時08分

horie 樣、こんばんは。今回は当方の記事をお読みいただき、また貴重な情報をお寄せいただき心から感謝申し上げます。おかげでサヴァリッシュさんの「復活」が実在したことがはっきりしました。ありがとうございます。確かに70年代は、まだまだマーラーは一般的でなく、僕も中学生になってようやくワルターやバーンスタインの「大地の歌」(共にウィーン・フィル、ロンドン・レコード)を聴いたのが初めての体験でした。とはいえ、ベートーヴェンやヴィヴァルディあたりを聴いていた少年には、衝撃的音楽でしたが。。。あとよく聴かれていたのは、やはりワルターの「巨人」(コロンビア響、CBSソニー)くらいですか。
horie 様がご指摘いただいたワルターの「復活」は、おそらくニューユーク・フィルとのセッション録音だと想像しますが、僕が店頭でよく見かけたのは1975年に出たウィーンでのカムバック演奏のライヴ盤の方だったと思います(共にCBSソニー)。
また僕が初めて聴いた「復活」は、その頃、彗星の如く擡頭してきたメータの盤でした(こちらもウィーン・フィル、ロンドン・レコード。1976年初出)。
ちなみに、先週末のFM番組「N響ザ・レジェンド」では、サヴァリッシュさんが1964年10月23日に振ったドボルザーク作曲「交響曲第8番 ト長調 作品88」が放送されてました。こちらも若々しい勢いのある好演でした。また何か情報がありましたらお気軽にご投稿ください。

投稿: cherubino | 2021年3月 4日 (木) 20時28分

ご丁寧にありがとうございます。
私も小学6年生でcherubino様もお聴きになったワルター指揮「大地の歌」でマーラーに開眼しましたが、サヴァリッシュ「復活」と同じころ放送されたローゼンシュトック指揮N響による3番の長さは理解不能でした(笑)。

投稿: horie | 2021年3月 4日 (木) 22時52分

初めまして。
以前の投稿を読ませて頂きました。
この経緯について知っております。
必要であればご説明させて頂きます。
如何でしょうか?

投稿: 石川 将喜 | 2022年1月21日 (金) 00時47分

石川様、コメントありがとうございます。この件に関して、当方はこの記事の(その4)で報告させていただいた以上のことは知りません。もしよろしければ、またお時間のある時にでも、ご教授ください。よろしくお願いいたします。

投稿: cherubino | 2022年1月21日 (金) 12時57分

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