「みちのくに盤友あり」
今年になって、出張で3回ばかり仙台市を訪れる機会があった。仙台と言えば、我々の世代には忘れられないLP専門店がある。2回目の訪問時に、近くまで行ったので、探してみることにした。JR仙台駅から北西方面、地下鉄南北線・北四番丁駅から徒歩では数分という場所に立つ雑居ビルの一階に、そのお店、「仙台レコード・ライブラリー」はあった。
古くからのレコードファンなら、「みちのくに盤友あり」という雑誌広告を憶えていらっしゃるかもしれない。僕が高校生の頃から「レコード芸術」の広告欄で、その名前だけは知っていた老舗の中古レコード専門店である。今回、初めて訪れてみると、小学校の教室くらいのスペースにクラシックを中心に、ジャズ、ロック等のLPレコードが集められている。奥の作業スペースにある棚にも、ぎっしりLPが並んでいて、その品揃えはおそらく日本有数と言える。
専門店と聞けば、ちょっと立ち寄るには敷居が高く感じるかもしれないが、店先に立つ御店主の奥方らしい方が「何かお探し物ありますか?」と優しく応対していただけるので安心だ。
僕が訪れたときは出張業務の途中だったので、それほど長居もできず、たまたま見つけたヘルムート・ミュラー=ブリュールが指揮したモーツァルトのセレナード交響曲のLP(そんなのがあるとは知りませんでした!)と、ジャズの古い再発盤を手に、レジに向かった。
「震災の時はだいじょうぶだったのですか?」とお聞きすると、「ここはだいじょうぶでした。でも以前入っていた建物だったら、つぶれてレコードごと処分されていたかも」とのお返事。
「ぬくもりの感じられる音がいい」「ジャケットが斬新」・・・今、LPレコードは、若い方を中心にちょっとしたブームになっていて、安価なプレーヤーも続々と発売されている。この機会に、震災を生き延びたレコード盤たちに、ぜひ会いにいきませんか?
ネット通販も受け付けている。
http://sendai-record.com/main/
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